くらし

200円カレーに込めた想い

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梅田からほど近い西天満の大通り沿い。

そのビル群の隙間に一軒のカレー屋がある。

 

「げんきカレー本日200円」

都会のど真ん中にたたずむこの店には、連日、一杯200円の「げんきカレー」を求め、多くの人が来店する。

平日には近隣のオフィスビルで働くサラリーマンやOL、夕方には学校帰りの大学生や子供たちなども多い。昼時のランチタイムには行列ができるほど盛況だ。

しかしなぜ、200円でカレーを提供するのか。

 

オーナーの井上さんはこう言う。

うちの店はもうけるためにやってないんです。

子供たちに美味しいカレーでお腹いっぱいになってほしいだけなんです。」

働く親の帰りが遅く一緒にご飯を食べれない子供たち。

特に、最近は一人親の家庭も増加傾向にある。

地域ぐるみでそんな子供たちを支えよう。

子供の貧困問題が叫ばれ、子供食堂などの取り組みが全国各地で行われている。

 

 

実は貧困は何も子供だけに限られるものではないんです。

 公園や路上での生活を余儀なくしている方もいる。

 そういう色んな方たちにも200円でお腹いっぱいに食べてもらいたい。

 

カレーを200円で提供するには、経営努力だけでは困難な価格だ。

店をオープンするまで、何回土下座したかわかりません。

200円でカレーを提供したい井上さんの思いを一人一人に丁寧に説明し、ビルオーナーに賃料交渉で頭を下げ、お米を作る農家に頭を下げ、あらゆる仕入れで協力を求め、実現した価格だという。

しかし、200円のカレーだからといって、味も量も一切の妥協はない。

岡山県の農家からお米を仕入れ、鳥は宮崎県から養鶏所から若どりを仕入れるなど、全国の生産者と直接交渉し、味や品質にもこだわっている。

この味を求め、連日通い詰める客も少なくない。

 

この店に毎日来ているという男性はこう言う。

自分は井上さんに話を聞いてもらうために、毎日来ているんです。」

店の中には【話し聞きます】の紙。

ランチタイムが落ち着くと、井上さんは席に座り、できる限り色んな方と会話するという。

いろんな思いを抱いている方がいます。ここなら何でも相談できる、そんなサロンみたいな場所になれば。

いらなくなった本があったら是非持ってきてくださいね。子供たちに寄付するんで。

こうした井上さんの思いに共感した客の中には、協力できることがあれば言ってと声をかけられることも多いという。

「おいしく食べてくれてありがとう。」

その感謝の気持ちは、何時しかお腹だけではなく、心を満たしてくれる。

今日も、200円の一杯のカレーが、来る人に「げんき」を与え続けている。

 

 

「げんきカレー本日200円」 オーナーの井上さん。

 

大阪市北区西天満3-14-9

11:00-20:00

TEL: 06-6131-0313

FAX: 06-6131-0302

http://www.gennki200.com/

 

(大阪市会議員 前田かずひこ)

 

<編注>

「げんきカレー本日200円」は店名です。

いつ行っても、毎日200円(税込)です。

 

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